令和の「二刀流」尾上右近、破竹の快進撃!伝統と革新を体現する次世代の旗手
ニュース要約: 歌舞伎俳優と清元節太夫の「二刀流」として活躍する尾上右近が、2026年も快進撃を続けています。歌舞伎座での八役早替りや『連獅子』への挑戦に加え、大河ドラマ『豊臣兄弟!』での好演やバラエティ出演など、舞台と映像の枠を超えて茶の間を席巻。圧倒的な芸の血筋を背負いながら、多角的な活動で伝統芸能の新たな形を提示する若き異才の「今」に迫ります。
【歌舞伎座】令和の「二刀流」尾上右近、破竹の快進撃 伝統と革新を体現する次世代の旗手
【東京】2026年、日本の伝統芸能界において最も熱い視線を浴びているのは、間違いなく二代目尾上右近だろう。歌舞伎俳優としての確固たる地位を築きながら、清元節の太夫「七代目清元栄寿太夫」としても活動する異例の「二刀流」。その勢いは舞台に留まらず、地上波のバラエティ番組や大河ドラマ、映画へと越境し続けている。春の訪れとともに、歌舞伎座での大役や新たなメディア出演が相次ぐ右近の「今」を追った。
歌舞伎座で挑む「八役早替り」と「親獅子」の情愛
2026年の幕開け、右近は歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』の昼の部『蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』で、全八役という驚異の早替りを披露した。変化舞踊の醍醐味が詰まったこの演目で、右近は「新年のスタートとして、馬鹿馬鹿しくもド派手にやりたい」と語っていた通り、エネルギッシュな舞台で観客を圧倒。自身の憧れでもあったこの演目を完遂したことで、表現者としてのさらなる進化を証明した。
続く『四月大歌舞伎』では、夜の部『連獅子』に狂言師右近・親獅子の精として出演する。特筆すべきは、仔獅子の精を勤める尾上眞秀との共演だ。2024年の自主公演以来、2年ぶりとなる歌舞伎座本興行での獅子親子。13歳となった眞秀との絆を深めつつ、「二人だからこそ出せるカラーを追求したい」と意欲を燃やす。歌舞伎の伝統的な毛振りに込められた師弟、そして親子の情愛が、春の歌舞伎座を熱く揺らすに違いない。
「豊臣兄弟!」から「徹子の部屋」まで――茶の間を席巻する多才ぶり
右近の活躍は舞台の枠を大きく踏み越えている。現在放送中のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』では、室町幕府最後の将軍・足利義昭役を好演。「青春群像劇として、人間らしい義昭を演じたい」という言葉通り、複雑な時代を生きる権力者の虚実を繊細に体現し、視聴者から高い支持を得ている。
また、バラエティ番組での親しみやすいキャラクターも人気の要因だ。3月19日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)へのゲスト出演をはじめ、『くりぃむクイズ ミラクル9』や『ナゾトレ』など、多くの人気番組に登場。カレー好き、絵画、歌といった多趣味な一面や、尾上松也ら歌舞伎仲間と見せるリラックスした素顔が、幅広い層のファンを獲得している。21日に放送予定のテレビ朝日ドラマプレミアム『森英恵 Butterfly beyond』への出演も控えており、俳優としての露出は加速する一方だ。
伝統の血筋と飽くなき挑戦
これほどの多角的な活動を可能にしているのは、彼が背負う圧倒的な「芸の血」と、それに対する誠実な向き合い方にある。 右近は、大正・昭和の名優「歌舞伎の神様」と称された六代目尾上菊五郎の曽孫であり、母方の祖父には昭和の大スター・鶴田浩二を持つ。音羽屋(尾上菊五郎家)の伝統を継承しつつ、父である七代目清元延寿太夫のもとで清元節を修め、2018年には「栄寿太夫」を襲名した。
2021年の映画『燃えよ剣』での日本アカデミー賞新人俳優賞受賞を機に、その才能は一般層にも広く知れ渡った。読売演劇大賞杉村春子賞や文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞といった栄誉に輝きながらも、自身が主催する自主公演「研の會」では、終演後にファンとの交流を大切にするなど、驕ることのない姿勢が信頼を集めている。
未来を担う次世代のリーダーとして
現在、チケット販売状況を見ても、右近が出演する公演は完売や品薄が相次いでいる。3月21日に京都・南座で開催される『曽根崎心中物語』はすでに予定枚数を終了しており、その人気の過熱ぶりがうかがえる。
伝統の重みを背負いながら、軽やかに現代のエンターテインメント界を駆け抜ける尾上右近。歌舞伎の舞台、映像作品、そして清元の調べ。三つの軸を自在に操る若き異才は、2026年も立ち止まることなく、私たちに新しい「伝統の形」を見せてくれるだろう。
(文・文化部記者)
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