2026年ミラノ五輪フリースタイルスキー:中国勢がエアリアル席巻、新種目デュアルモーグルも熱狂
ニュース要約: 2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪のフリースタイルスキー競技がリヴィニョで閉幕。中国の王心迪・徐夢桃夫妻がエアリアルで金メダルを獲得する快挙を成し遂げたほか、新種目デュアルモーグルの採用により競技のエンタメ性が向上しました。谷愛凌の復帰や採点基準の変化など、雪上の芸術が新たな時代を迎えた大会を詳報します。
ミラノ・コルティナ冬奥、リヴィニョに舞う「雪上の芸術」――自由式スキー新時代の幕明け
【リヴィニョ(イタリア北部)2026年2月22日 共同】
2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪は、大会終盤に入り最高潮を迎えている。アルプスの懐に抱かれたイタリア・リヴィニョの特設会場では、**2026年冬奥会自由式スキー(フリースタイルスキー)**の全15種目が展開され、世界トップクラスの「エア(空中戦)」が観客を魅了した。
今大会のフリースタイルスキーは、伝統的な強豪国と新興勢力が激突するだけでなく、新種目の採用や採点基準の変更など、競技のあり方を一変させる大きな転換点となった。
■「夫婦で金」の快挙、中国勢がエアリアルを席巻
今大会、リヴィニョの夜空に最も輝いたのは中国代表チームだった。特に「雪上の跳躍」とも称されるエアリアル種目において、中国勢は2金3銅という圧倒的な成績を収め、その選手層の厚さを見せつけた。
男子エアリアルでは、王心迪(オウ・シンテキ)が難易度5.1という極限の「バック・フル・フル・フル(後方宙返り3回、5回ひねり)」を完璧に決め、132.60点という高得点で金メダルを獲得。女子でも、北京大会の金メダリストであるベテラン、徐夢桃(ジョ・ムトウ)が決勝で4.293の難易度を完璧にこなし、112.90点で五輪連覇を達成した。王と徐は私生活でも夫婦であり、「五輪金メダルカップル」の誕生は今大会最大のトピックの一つとして報じられている。
一方で、混合団体では徐、王、李天馬(リ・テンマ)の布陣で臨んだ中国が、激戦の末に銅メダルを獲得。前回大会の銀メダルからメンバーを刷新し、若手の台頭を印象づけた。
■新種目「デュアルモーグル」の衝撃と採点の変化
今大会から正式採用された「男子・女子デュアルモーグル(双人雪上技巧)」は、競技に新たなスピード感と緊張感をもたらした。従来のモーグルが自己の限界に挑む「採点競技」の側面が強かったのに対し、2人の選手が隣り合わせで滑るデュアル形式は、直接的な「対決(バトル)」の要素が強調される。
専門家によれば、デュアルモーグルではターンの技術がスコアの約50%を占めるが、勝敗を分けるのは隣のレーンを走る相手へのプレッシャーと、一瞬の判断ミスを許さないスピード感だ。この新種目の追加により、フリースタイルスキーはより観客にとって分かりやすく、エキサイティングなエンターテインメントへと進化したと言える。
また、エアリアル種目において、着地の採点ウェイトが以前よりも相対的に弱められたとの分析もあり、これが選手たちにより高難度の技へ挑む「攻めの姿勢」を促した。
■「至宝」谷愛凌の帰還とリヴィニョの雪質
パーク種目(ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエア)では、中国の至宝・谷愛凌(アイリーン・グー)の動向に世界中が注目した。大怪我からの復帰戦となった今大会、彼女はハーフパイプの予選で一時ミスを見せるも、修正能力の高さを見せて決勝へ進出。宿敵である欧米勢との火花散る戦いは、アルプスの冷気を熱くさせた。
競技会場となったリヴィニョは、イタリアとスイスの国境付近に位置する標高の高い山岳リゾートだ。一部のインフラ整備の遅れや、ミラノ市街地からの遠い移動距離といった課題はあったものの、大会期間中のパウダースノーと人工造雪の絶妙なブレンドは、選手たちから「板の走りが良く、高難度の跳躍に適している」と概ね好意的に受け止められた。
■総括:2026年が示す「自由」の形
2月22日の閉幕を目前に控え、フリースタイルスキーは全ての競技を終えようとしている。伝統のエアリアルでの技術追求、そして新種目デュアルモーグルが見せたエンターテインメント性。2026年冬奥会自由式スキーが示したのは、単なるスポーツの記録更新ではなく、雪上で表現される無限の自由と可能性であった。
次回の開催地へと引き継がれるこの熱狂は、フリースタイルスキーが冬季五輪における「華」であることを改めて世界に証明した。
(記者:国際部 冬季五輪取材班)
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