韋駄天・前田大然、セルティックでの数字停滞とプレミアリーグへの渇望。推定95億円移籍の行方
ニュース要約: セルティック所属の日本代表FW前田大然は、今季数字が停滞し、冬の移籍を強く模索している。2025年夏に契約延長交渉を中止した前田には、ブレントフォードやトッテナムなどプレミアリーグ複数クラブが熱視線を送っており、推定移籍金は最大95億円に達する見込みだ。森保監督も絶賛する前田のスピードは日本代表で不可欠であり、来年1月の移籍市場でキャリア最大の決断を下す。
韋駄天・前田大然が立つキャリアの岐路:セルティックでの数字の停滞とプレミアリーグへの渇望
2025年11月18日
スコットランドの名門セルティックで、攻撃の切り込み隊長として奮闘を続ける日本代表FW前田大然(28)。昨シーズン(2024-25)は公式戦51試合で33ゴール12アシストという驚異的な数字を残し、リーグの偉業達成に大きく貢献した前田だが、今季はパフォーマンスの波が激しく、彼の周囲では「冬の移籍」を巡る報道が過熱している。クラブでの契約問題と、日本代表での不可欠な存在感。前田大然は今、自身のキャリアにおける大きな岐路に立たされている。
セルティックでの葛藤:数字の低下と高まる不満
今季(2025-26シーズン)の公式戦における前田の数字は、昨季の爆発的な活躍から一転、やや落ち着きを見せている。リーグ戦9試合で3ゴール、ヨーロッパリーグを含めた直近17試合では4ゴール2アシストに留まっており、得点面での直接的な貢献度は低下した。
しかし、現地での評価が全く下がったわけではない。前田はFWだけでなく、左ウイングバックとしても起用される柔軟性を見せており、その献身的な守備意識と規格外のスピードは、ブレンダン・ロジャーズ監督率いるセルティックの戦術において依然として重要な要素だ。チームのリーグ4連覇に貢献している事実は揺るがない。
だが、この数字の低下と、クラブが求める役割の変化が、前田自身の「ステップアップしたい」という強い思いを加速させているようだ。2027年まで契約が残っているものの、前田は2025年夏頃にはクラブとの契約延長交渉を中止したと報じられている。そして現在、来年1月の冬の移籍市場での退団を強く模索している状況にある。
プレミアリーグからの熱視線、推定移籍金は最大95億円
前田の移籍への強い意志を後押ししているのが、欧州主要リーグからの関心の高まりだ。特にイングランド・プレミアリーグの複数クラブ、具体的にはブレントフォードやトッテナム・ホットスパーなどが具体的な獲得リストに入れているとされる。
前田の市場価値は、そのスピードと献身性、そして日本人選手としての国際的な評価を背景に高騰しており、推定移籍金は最低でも49億円、場合によっては5000万ポンド(約95億円)に達する可能性も指摘されている。
本人は「欧州トップリーグで挑戦したい」という強い気持ちを持っており、セルティック側も後釜探しの動きを進めていることから、この冬、前田がスコットランドを離れ、世界最高峰の舞台へと飛び立つ可能性は極めて現実味を帯びている。
日本代表での「救世主」的役割
クラブでの低迷と移籍問題という複雑な状況と対照的に、前田大然は日本代表において、なくてはならない存在として評価を固めている。
11月の代表戦では、森保監督がそのスピードを「ハンパねぇ」と称賛するなど、前田の規格外の能力は日本代表の戦術的な課題解決における生命線となっている。
興味深いのは、三笘薫の負傷離脱で手薄になった左ウイングバックという新たなポジションを任されている点だ。「監督と話していて、FW起用も考えていると常に言ってくれているので、どっちもできるように僕は準備している」と語る前田。持ち前の運動量を活かし、攻守両面で貢献できる柔軟性が、代表チームにおける彼の価値を飛躍的に高めている。
クラブでの不遇を払拭したいという強い思いからか、前田は11月の代表活動について「今回を逃してしまうと次は3月なので、どうしてもこのシリーズに来たかった」と並々ならぬ意欲を示していた。代表戦での活躍は、彼自身の高い市場価値を改めて証明し、プレミアリーグ移籍への大きな後押しとなるだろう。
挑戦の岐路に立つ韋駄天の来春
セルティックでの契約問題、そして日本代表での新たな役割。前田大然は今、キャリアにおける重要な決断を迫られている。
スコットランドでの安定した環境を離れ、世界で最も競争が激しいプレミアリーグへと挑むのか。もし移籍が実現すれば、それは彼自身の夢の実現であると同時に、日本代表における攻撃オプションの幅を広げる大きなステップアップとなる。
彼の持つ唯一無二の「スピード」という武器が、世界のトップリーグでどこまで通用するのか。来年1月の移籍市場の動向は、日本サッカーファンが固唾を飲んで見守る、最も注目すべきテーマの一つとなるだろう。