李強首相、チベット・吉隆の被災地入り 中尼国境の土石流、行方不明558人
ニュース要約: 中国の李強首相が中尼国境の吉隆口岸の土石流被災地を訪れ、捜索救援を現地指示した。行方不明者は外国人260人を含む558人に上り、ネパール側の死者は469人。日本人5人とも連絡が取れない。
李強首相、チベット・吉隆の被災地入り 中尼国境の土石流、行方不明558人
中国の李強(り・きょう)国務院総理は27日、ネパールと国境を接するチベット(西蔵)自治区日喀則市吉隆県を訪れ、中尼国境付近で発生した大規模な土石流をめぐり、捜索救援と応急対応を現地で指導した。国営新華社通信が伝えたところによると、李強首相は習近平国家主席の委託を受けて現地入り。日喀則空港に着くとそのまま被災地域へ向かい、救援隊員や避難した住民を見舞った。「一縷の望みがある限り、最大限の努力を尽くして行方不明者を捜索せよ」と指示したという。
土石流は26日、国境の吉隆(ギロン)口岸(出入国管理事務所)を襲った。現場の監視カメラには、数メートルの高さの濁流が建物を呑み込む様子が映っていた。中国側の行方不明者は27日午前8時現在、外国人260人を含む558人に上り、前日から2倍以上に急増した。張国清副首相の派遣に続いて首相自身が急派される異例の対応で、李強首相が災害現場を訪れるのは、2023年12月の甘粛地震、24年7月の湖南省の台風被害に次いで就任後3回目となる。
吉隆口岸は古来、吐蕃とネパール王国を結ぶ要衝で、中国とネパールの陸路貿易量の6割以上を占める。香港紙・星島日報によると、2017年から第三国の国民にも開放され、今年上半期だけで10万人以上が利用した。行方不明者に外国人が目立つのは、こうした事情による。
隣接するネパール側でも洪流が複数の河谷を直撃し、被害が広がっている。ロイター通信が28日に伝えたところによると、死者は469人に達した。共同通信は、土砂ダム決壊の情報が伝わったため救助活動が一時中断したと報じた。発生当初、中国当局は「土砂崩れ」、ネパール当局は「洪水」と表現するなど見解が分かれたが、米地質調査所は氷河の崩壊が引き金になった可能性があるとみている。
中国外務省の林剣報道官は「捜索では中国人と外国人を平等に扱い、関係国の大使館と意思疎通を維持している」と述べ、ネパール側の被災地域で中国人約100人の行方不明が確認されたことに言及した。日本政府も27日、高市早苗首相が習氏と李強首相あてに、茂木敏充外相が王毅外相あてに、それぞれ哀悼とお見舞いのメッセージを送った。日本人5人と連絡が取れなくなっていると日本メディアが報じる中、国境を挟む被災地の全容解明にはなお時間がかかりそうだ。
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