J2激闘：磐田、劇的決勝弾でPO進出決定！鳥栖は残留争い正念場へ

ニュース要約: 明治安田J2第38節、鳥栖対磐田は磐田が1-2で劇的勝利を収めた。後半45分、リカルド・グラッサの決勝弾により、磐田はJ1昇格プレーオフ進出を確実にした。一方、鳥栖は終盤の失点で勝ち点を逃し、残留争いの正念場を迎えることとなった。因縁の対決は、両チームの明暗を分ける結果となった。

J2激闘の果て：磐田、劇的勝利でPO進出決定弾　鳥栖は残留争いへ正念場

【鳥栖発】 明治安田J2リーグは終盤を迎え、昇格と残留をかけた熾烈な戦いが繰り広げられている。2025年11月29日、サガン鳥栖のホーム、駅前不動産スタジアムで行われた第38節、鳥栖対磐田の一戦は、ジュビロ磐田が1-2で勝利を収めるという劇的な幕切れとなった。この結果、磐田はJ1昇格プレーオフ圏内での優位を確実なものとし、一方の鳥栖は、追い込まれた残留争いから抜け出せずにいる。

終盤のドラマ、昇格への執念が結実

この一戦は、両チームにとって来季のカテゴリーを占う上で、勝ち点3が絶対条件となる「運命の対決」だった。特に磐田は、J1昇格プレーオフ進出の望みをつなぐため、敵地での勝利が不可欠であった。

試合は前半、互いに慎重な立ち上がりを見せ、スコアレスで折り返す。鳥栖は持ち味である前線からのハイプレスと守備の連動で磐田のビルドアップを封じにかかるが、磐田は守備ラインを下げてスペースを消し、鳥栖の攻撃をいなす戦術を徹底した。

均衡が破れたのは後半22分。磐田は右CKから渡邉りょうがコースを変え、MF松原后が頭で押し込み先制点を奪う。松原は今季、中盤の要として攻守に安定したパフォーマンスを見せており、この重要な局面で値千金の一発を叩き込んだ。

しかし、鳥栖も意地を見せる。後半43分、FW鈴木大馳がペナルティエリア内で力強い反転から右足を振り抜き、豪快にゴールネットを揺らして同点に追いつく。ユース出身の鈴木は今季、チームの得点力不足を補う存在として台頭しており、この同点ゴールはスタジアムの期待を一気に高めた。

だが、ドラマはこれで終わらなかった。同点弾からわずか2分後の後半45分、磐田はカウンターを発動。マテウス・ペイショットのスルーパスに反応したDFリカルド・グラッサが、冷静に左足で蹴り込み、決勝弾を奪った。グラッサは本職は守備陣ながら、勝負どころでの決定力を見せつけ、磐田に劇的な勝ち点3をもたらした。

因縁の対決と戦術の明暗

「鳥栖対磐田」は、Jリーグのファンにとって「伝統の一戦」として知られるが、特に昨季の記憶が色濃い。2024年12月8日に行われたJ1最終節では、既に降格が決まっていた鳥栖が、残留へ勝利が絶対条件だった磐田を0-3で下し、磐田のJ2降格を決定づけたという、苦い歴史がある。

今回のJ2での対戦は、その因縁を背負いつつも、両監督の戦術の明暗が分かれた形だ。鳥栖は前線からのプレスで相手を圧迫するも、磐田は守備固めと巧みなカウンターでその圧力を回避。磐田の監督は、鳥栖のプレスをリスペクトした上で、守備の連動と逆襲のタイミングを徹底させた采配が功を奏したと言えるだろう。

この結果、磐田は昇格争いに弾みをつけ、J1復帰へ大きく前進した。一方の鳥栖は、終盤の失点で勝ち点を伸ばせず、J2残留圏内での厳しい戦いを強いられることとなった。