【2026年W杯予選】崖っぷちのイタリア代表、ガットゥーゾ監督の下で再生を懸けた死闘へ
ニュース要約: 2026年FIFAワールドカップ出場を懸け、2大会連続不出場のイタリア代表が運命のプレーオフに挑みます。ガットゥーゾ監督率いるアッズーリは、主力選手の負傷離脱という逆境の中、エース・キエーザの復帰と若手の台頭を武器に「カテナチオ」の再構築を目指します。世界13位に転落した名門の威信を懸けた、北アイルランド戦からの過酷な戦いを詳報。
【ローマ=2026年3月27日】
サッカー界の至宝、「アッズーリ(紺碧の意)」が再び運命の岐路に立っている。2026年FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会の欧州予選プレーオフ。イタリア代表は26日、本大会出場権を懸けた死闘の第一関門、北アイルランド戦に臨んだ。2018年、2022年と2大会連続で本大会出場を逃しているイタリアにとって、今回のプレーオフは単なる試合ではない。カルチョ(イタリアのサッカー)の威信と再生を懸けた、文字通り「負けられない戦い」である。
満身創痍の「ガットゥーゾ・イタリア」
ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督率いる現在のイタリア代表は、まさに試練の渦中にある。3月20日に発表された最新の招集メンバー28名には、光と影が混在していた。
最大の懸念は、主力の相次ぐ離脱だ。守備の要であるアレッサンドロ・バストーニ(インテル)がミラノ・ダービーでの負傷によりコンディションを崩し、右サイドの要であったジョヴァンニ・ディ・ロレンツォ(ナポリ)は長期離脱中。さらに前線では、得点源として期待されたジャンルカ・スカマッカ(アタランタ)が右内転筋断裂で戦列を離れるという、最悪のシナリオに見舞われている。
中盤でも、サンドロ・トナーリ(ニューカッスル)が鼠径部に不安を抱えながらの強行軍となり、ベテランのマルコ・ヴェラッティ(アル・ドゥハイル)も膝のトラブルで招集外となった。
復活のキエーザと「21歳の新星」
しかし、絶望ばかりではない。リヴァプールで完全復活を遂げたフェデリコ・キエーザの復帰は、停滞気味だった攻撃陣に一筋の光明を差している。爆発的なスピードと個の力で局面を打開できるキエーザの存在は、相手守備陣にとって最大の脅威だ。
また、ガットゥーゾ監督は就任以降、守備の安定化を最優先課題に掲げてきた。今回のメンバー構成でも、ジャンルイジ・ドンナルンマ(マンチェスター・シティ)を中心に、GKを4名、DFを10名近く招集。新戦力としてカリアリの21歳、マルコ・パレストラを初招集するなど、若手の登用と守備層の厚みを同時に追求している。
「過去2大会のトラウマを払拭するには、まず失点しないことだ」――。ガットゥーゾ監督の哲学は、この堅実な選考にも色濃く反映されている。
揺らぐ世界順位、試される「欧州13位」のプライド
最新のFIFAランキング(2026年1月発表)において、イタリア代表は世界13位に転落した。欧州内ではスペイン、フランス、イングランドといった強豪に大きく差をつけられ、現在はモロッコやセネガルといったアフリカ勢の後塵を拝する形となっている。
かつて世界1位を極めた誇り高きアッズーリにとって、13位という数字は屈辱以外の何物でもない。2025年6月のW杯予選ではノルウェーに0-3と完敗するなど、脆さを露呈する場面も目立った。ルチアーノ・スパレッティ前体制からチームを引き継いだガットゥーゾ監督は、バラバラになりかけた組織を「闘争心」というキーワードで再構築しようとしている。
戦術面では、バレッラとフラッテージのインテル・コンビを中心とした中盤の構成力を活かしつつ、攻撃では復帰したキエーザの右サイドからの突破に活路を見出す。守備時には5バックに近い形も辞さない泥臭い戦い方は、かつてのイタリアの「カテナチオ(閂)」を彷彿とさせる。
運命の決戦へ:北アイルランド戦、その先へ
26日(現地時間)に行われた北アイルランド戦を突破し、イタリアが目指すのは31日の最終決定戦だ。そこにはウェールズ、あるいはボスニア・ヘルツェゴビナといった難敵が待ち構えている。
「我々には、このシャツの重みを知る義務がある」。ガットゥーゾ監督の言葉は、悲願の本大会出場を目指す選手たちの胸に深く刻まれている。負傷者続出という逆風を跳ね返し、アッズーリは北中米の地へと辿り着けるのか。
イタリア全土が固唾を呑んで見守る中、運命の時計の針は進んでいく。再び世界を驚かせるための、再生への第一歩がいま、踏み出されようとしている。
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