インフキュリオン(438A)株価暴騰：B2B決済DXで黒字化達成、NISA成長株の次なる焦点

【深掘り】東証グロース上場（438A）(株)インフキュリオン株価暴騰の背景：B2B決済DXと成長期待、NISA投資家が注視する来週の株価見通し

週末の株価振り返り：グロース市場を牽引した(株)インフキュリオンの急騰

2025年11月22日、週末を迎えた東京株式市場は、米国の金融政策や一部ハイテク株の利益確定売りにより調整の兆しを見せつつも、円安進行を好感した動きから全体として底堅く推移しました。TOPIXが連日最高値圏を維持する中、特に東証グロース市場では、新規上場間もないフィンテック企業、(株)インフキュリオン（438A）が突出したパフォーマンスを見せ、市場の熱い視線を集めています。

同社の株価は、11月21日には前日比で10%を超える大幅な上昇（暴騰）を記録し、終値1,399円をつけるなど、高いボラティリティの中で強気な値動きが継続しています。この動きは、単なる材料視された投機的な動きに留まらず、急速に拡大するB2B決済市場における同社の優位性と、確実な業績改善が背景にあると分析されています。

成長を支えるB2B決済インフラと黒字化達成

(株)インフキュリオンの株価暴騰の根幹にあるのは、その独自のビジネスモデルです。同社は、企業間取引（BtoB）を中心としたデジタル決済インフラを提供しており、収益は決済処理量に応じた従量課金型（トランザクションフィー）が主軸となっています。このストック型収益モデルは、顧客基盤の拡大に伴い安定的な収益成長を可能にする構造を持っています。

直近の業績は、この成長戦略が結実していることを示しています。2025年10月24日に東証グロースに新規上場した438Aですが、2026年3月期第2四半期（2025年4月～9月）の決算では、売上高42.79億円、営業利益2.72億円を達成し、2025年3月期には累積赤字からの黒字転換を果たしました。年間決済処理額は既に2兆円を突破し、BtoB決済市場におけるDX（デジタルトランスフォーメーション）推進の波に乗り、取扱高は前年比100%以上の成長を記録しています。

さらに、中国EC市場への進出を目的とした「小紅書（RED）越境ECテストマーケティング」プロジェクトの始動や、インド市場を含む海外展開の動きも、中長期的な成長ドライバーとして投資家の期待値を押し上げています。

NISA投資家が注目する成長stocksとしての魅力とリスク

(株)インフキュリオン株価の急騰は、個人投資家の積極的な関与抜きには語れません。東証グロース市場の成長stocksである438Aは、新NISA（少額投資非課税制度）の非課税枠を活用したい投資家にとって、魅力的な選択肢となっています。

新NISA制度では、非課税期間の恒久化に伴い、配当収入よりも値上がり益（キャピタルゲイン）を重視する成長投資枠での活用が推奨されており、フィンテックという成長テーマを持つ**(株)インフキュリオン**のような銘柄は特に注目を集めやすい傾向にあります。実際、直近の出来高は活発であり、信用買残も増加傾向にあることから、個人投資家による買い意欲の強さが窺えます。

しかし、注意すべき点もあります。438Aの株価は上場直後からボラティリティが高く、年初来高値（1,660円）と安値（1,113円）の間で大きく変動しています。また、黒字化を果たしたとはいえ、累積赤字の影響でBPS（1株当たり純資産）は依然マイナスであり、高水準のPERも相まって、業績進捗や市場環境の変化による調整リスクは無視できません。NISA枠での中長期投資を検討する個人も、リスク管理と分散投資の徹底が求められます。

週末の株価振り返りと来週の株価見通し

週末の株価振り返りとして、今週の日本株市場は、米連邦政府の一部閉鎖解除期待や円安がプラスに作用したものの、米ハイテク株の調整を受け、全体の上昇幅は限定的となりました。

来週の株価見通し（11月25日～11月28日）については、日経平均は4万7,000円から5万円のレンジでの推移が予想され、米国の重要経済指標やエヌビディア、ソフトバンクグループといったグローバル企業の決算動向が市場の方向性を左右する見込みです。

(株)インフキュリオン株価に関しては、来週も引き続き、成長期待を背景とした買いが先行する可能性があります。特に、第2四半期決算の好進捗が通期予想の上方修正につながるかどうかが大きな焦点となるでしょう。フィンテック市場の成長トレンドと連動しつつ、新規事業の進展が確認されれば、現在の強い需給が維持される公算は高いとみられます。

438Aの動向は、今後のグロース市場全体のムードを占う試金石となるでしょう。NISAを活用する投資家は、単なる暴騰に惑わされることなく、企業の持つ中長期的な成長戦略と、市場環境の変化を冷静に見極めることが肝要です。