【2026最新】イモトのWiFiが挑む春商戦、エクスコムグローバルの多角化戦略と海外通信の未来
ニュース要約: エクスコムグローバルが展開する「イモトのWiFi」は、2026年春の海外旅行需要回復に向け、早割キャンペーンやeSIM提供で攻勢を強めています。コロナ禍を「にしたんクリニック」等の多角化経営で乗り越えた西村誠司社長のもと、空港カウンターの利便性とブランド力を武器に、価格競争が激化する通信市場で独自の価値提供を目指す同社の最新戦略を追います。
【経済】「イモトのWiFi」が挑む2026年春の陣 エクスコムグローバル、多角化経営の中で守る“海外通信の牙城”
2026年3月13日 10:00
春の足音が近づき、ゴールデンウィークや卒業旅行を控えた海外旅行シーズンが幕を開けようとしている。かつて日本の海外Wi-Fiレンタル市場を席巻し、今やヘルスケア事業など多角的な経営で知られるエクスコムグローバル株式会社(東京都渋谷区、西村誠司代表取締役)の主力ブランド「イモトのWiFi」が、2026年の春商戦において新たな局面を迎えている。
新型コロナウイルスの世界的流行を経て、海外旅行需要が完全に回復した今、同社がどのような戦略を描いているのか。その最新動向を追った。
■「春の割引」と利便性の追求
現在、イモトのWiFiが展開しているのは、早期予約による「早割プラン」を中心とした堅実なキャンペーンだ。30日前までの予約で10%OFFとなるなど、計画的な旅行者向けの割引を主軸に置いている。また、韓国、台湾、アメリカなど人気の50カ国を対象とした「イモトのいい値!」では、1日最大400円の割引を適用。Web申込限定の戦略をとることで、コスト意識の高い若年層やビジネス客の取り込みを図っている。
同社の最大の強みは、長年培ってきた国内主要空港における圧倒的な接点にある。羽田、成田、関西、新千歳といった主要空港の出発ロビーに直営カウンターを構え、当日レンタルや専任スタッフによる日本語サポートを提供している。24時間対応の返却BOXの設置など、帰業・帰国時の利便性は、新興の通信サービスにはない「安心感」というブランド価値を形作っている。
■eSIM市場への参入と技術的進化
一方で、通信業界のトレンドは急速に変化している。物理的なルーターを介さない「eSIM」の普及だ。これに対し、エクスコムグローバルもついにeSIMサービスの本格提供を開始した。
これまでの同社は、4G/LTEに対応したWi-Fiルーターレンタルを主軸としてきた。これは「設定の容易さ」や「複数台同時接続(最大10台)」、そして「バッテリーの持ち」といった点で根強い支持を得ている。しかし、より身軽な旅を求めるユーザー層に向けてeSIMという選択肢を加えたことは、同社にとって大きなサービス進化と言える。
ただし、2026年3月時点の市場評価では、通信速度や繋がりやすさにおいて一定の評価を得ているものの、料金面では「WiFiBOX」などの競合他社に後塵を拝する場面も見受けられる。例えば、韓国での無制限プランでは他社が1,000円を切る価格設定を打ち出す中、イモトのWiFiは割引後でも1,400円台(Web割適用時目安)となるケースがあり、価格競争力の維持が今後の課題となりそうだ。
■西村社長の経営戦略:通信からヘルスケア、そして未来へ
エクスコムグローバルの歩みは、そのまま同社の舵を取る西村誠司氏の経営哲学の体現でもある。2008年に業界初の定額制Wi-Fiレンタルを立ち上げ、タレントのイモトアヤコ氏を起用した大胆なブランディングで市場を切り拓いてきた。
特筆すべきは、コロナ禍における同社の鮮やかな転換だ。海外旅行の消滅により、一時はWi-Fi事業の売上が98%減という絶望的な状況に陥りながらも、西村氏は即座に「にしたんクリニック」を通じたPCR検査事業などのメディカル支援サービスに参入。この決断が功を奏し、会社をV字回復させたエピソードは今や語り草となっている。
2026年現在、同社は「モバイル通信」「メディカル支援」「飲食店運営」の3本柱による多角化経営を安定させている。西村氏は「顧客の不便を解消する」という一貫したテーマを掲げており、Wi-Fi事業についても単なる通信手段の提供に留まらず、海外旅行という体験全体を支えるインフラとしての価値を見出そうとしている。
■今後の展望:独自性の模索
2026年春の海外旅行市場は、円安の影響や物価高騰など、不透明な要因も多い。その中で「イモトのWiFi」が選ばれ続けるためには、価格以上の付加価値が求められている。
現在は4G/LTEが主流の通信環境だが、今後は5G対応の拡大や、eSIMサービスのさらなるスペック向上、そして「にしたんクリニック」などのグループ事業と連携した渡航前後のトータルヘルスケアサポートなど、同社にしかできないシナジーの発揮が期待される。
「知名度」という最大の武器をどう次世代のサービスに結びつけるのか。エクスコムグローバルの挑戦は、日本の旅行業界における通信サービスの未来を占う試金石となるだろう。
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