【独自】広島城天守が3月22日に閉城へ。戦後復興の象徴「三代目」が幕、新歴史館へ継承
ニュース要約: 広島の復興を見守ってきた広島城天守閣が、老朽化のため2026年3月22日をもって閉城します。1958年の再建から65年、貴重な資料は2026年秋開館予定の「三の丸歴史館」へ引き継がれる方針です。閉城直前には開館時間の延長や整理券制の特別公開も実施。3月下旬の桜の開花とともに、三代目天守がその歴史的役割を終え、新たな観光拠点へと進化を遂げます。
【独自】広島城天守、3月22日に閉城へ 戦後復興の歩み刻んだ「三代目」が幕、新たな歴史館へ継承
【2026年2月21日 広島】
広島の街の象徴として、戦後復興の歩みを見守り続けてきた広島城天守閣が、来たる3月22日をもってその歴史に一度幕を下ろす。老朽化に伴う閉城を1ヶ月後に控え、城跡周辺には名残を惜しむ市民や観光客が連日詰めかけている。1589年の築城から被爆、そして復元を経て、いま再び大きな転換期を迎えようとしている「鯉城(りじょう)」の現在を追った。
被爆から再建、そして「閉城」という決断
広島城は、太田川デルタの要衝として毛利輝元により築かれ、江戸時代には福島氏、浅野氏の下で城下町の中心として栄えた。かつての天守は1931年に旧国宝に指定されたが、1945年8月6日の原爆投下により倒壊。現在の天守は、1958年に広島復興大博覧会に合わせて、鉄筋コンクリート造りで再建された「三代目」にあたる。
しかし、建設から65年以上が経過し、耐震性の不足や設備の老朽化が深刻な課題となっていた。広島市は、貴重な展示資料の保全と来場者の安全を最優先し、2026年3月22日をもって天守内部の公開を終了することを決定した。
閉城を控えた2月の開館時間は9:00~17:00(最終入館16:30)だが、3月に入ると、平日は18:00、土日祝日は19:00まで延長される。さらに、閉城直前の3月20日から22日にかけては、混雑緩和のため整理券制による特別開館が予定されており、最後の日没を多くの人々が見届けることになりそうだ。
歴史を紡ぐ展示と三の丸の再開発
天守内部は、広島藩の成立から幕末までの歴史を紐解く博物館として親しまれてきた。第1層の「広島城の成立と役割」から始まり、第3層では浅野家ゆかりの甲冑や刀剣が並ぶ。特に広島市指定重要有形文化財である「網代金箔押唐人笠形馬印」などは、多くの歴史ファンの目を釘付けにしてきた。
天守の閉城に伴い、これらの貴重な資料は、現在整備が進められている「広島城三の丸歴史館」へと引き継がれる。三の丸エリアでは現在、Park-PFI制度を活用した大規模な再開発が進行中だ。2025年3月29日には、広島の食や文化を楽しめる飲食・物販施設を備えた第1期エリアが開業を予定しており、続く2026年秋には、新たな展示の拠点となる「歴史館」の本館がオープンする見通しだ。
広島市担当者は「天守内部への立ち入りはできなくなりますが、三の丸を核とした新たな観光拠点として、城周辺の回遊性を高めていきたい。将来的には木造での復元も視野に入れている」と語る。
春の訪れと、惜別のライトアップ
取材に訪れた2月中旬、広島城跡公園内では早咲きの梅がほころび始めていた。広島県内の梅の見頃は3月中旬まで続き、入れ替わるように3月下旬にはソメイヨシノが開花を迎える。2026年の桜の開花予想は3月22日頃とされており、まさに閉城の日、広島城は淡いピンク色に包まれることになりそうだ。
日没後、お堀の水面に反射する天守の姿は、広島でも屈指のフォトスポットだ。閉城を前にしたこれからの時期、期間限定の延長開館やライトアップイベントが、最後の夜を彩る。
散策のモデルコースとしては、JR広島駅から新名所の「ひろしまゲートパーク」を経由し、名勝・縮景園、そして広島城へと続くルートがおすすめだ。特にこの春は、天守内部を見学できる最後のチャンスとあって、多くの旅行者がこの「歴史の目撃者」となるべく足を運んでいる。
3月22日、午後7時30分。本丸上段で予定されている閉城記念セレモニーをもって、三代目天守はその役割を終える。内部の展示室や最上階からの眺望は見納めとなるが、どっしりとした石垣と、水面に映る勇壮な外観は、これからも広島の街と共にあり続ける。
(記者:佐藤 健)
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