佐野岳、悪役で魅せる新境地　身体能力と演技力で築く多彩なキャリア

【エンタメ】 俳優の佐野岳（32）が、現在放送中のドラマ『最後の鑑定人』（テレビ朝日系）で、金髪の仮想通貨事業社長という悪役を熱演し、視聴者に強烈な印象を与えている。「底からムカついてくれたら、役者としては本望」と語る佐野岳の挑戦的な演技が、SNSなどで大きな反響を呼んでいる。

「金と権力にまみれた」悪役に挑戦

8月6日に放送された第5話で、佐野岳は薬物使用疑惑も絡む「金髪イケイケ社長」を体現。これまで爽やかな好青年役のイメージが強かった佐野岳にとって、「金と権力にまみれたクズ級社長」という役柄は新たな挑戦となった。過去に『陸王』（TBS系）や『十一人の賊軍』などで幅広い役柄を演じてきた経験が、今回の複雑な悪役演技に活かされているという。

佐野岳は独占インタビューで、「役を通して自分自身も成長を感じている。メッセージ性の強い作品で、観客に何かを伝えたい」と、演技への真摯な姿勢を明かした。好青年からコワモテ役まで自在に演じ分ける演技力は、業界内外から高く評価されている。

驚異の身体能力　3度の総合優勝

佐野岳の魅力は演技力だけではない。スポーツバラエティ番組『最強スポーツ男子頂上決戦』では、2012年、2015年、2016年と3度の総合優勝を果たした。この驚異的な身体能力は、2013年に主演を務めた『仮面ライダー鎧武/ガイム』（テレビ朝日系）で遺憾なく発揮された。スーツアクターやアクション監督からは「歴代主演俳優で最も身体能力が高い」と評価され、生身でのアクションシーンを多数こなした。

愛知県出身の佐野岳は、2011年に『第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞し、芸能界入り。翌2012年に舞台『SAKURA』で俳優デビューを果たした。運動神経の良さはコンテスト時から注目されており、高度な筋力、柔軟性、瞬発力を兼ね備えたアスリート俳優としての地位を確立してきた。

デビュー10年超、多様な活躍

『仮面ライダー鎧武』でブレイクした佐野岳だが、その後は必ずしも順風満帆ではなかった。地上波ドラマへの出演が一時減少し、「消えた」と言われた時期もあった。しかし実際には、舞台やミュージカル、ネット配信番組など、多方面で精力的に活動を継続。2016年にはミュージカル『「終わりのセラフ」The Musical』に初挑戦するなど、表現の幅を広げてきた。

2015年の『下町ロケット』（TBS系）では若き技術者役、2017年の『陸王』では陸上選手のライバル役と、佐野岳は着実にキャリアを積み重ねてきた。近年は金髪とヒゲ姿で新たな一面を見せ、俳優としての可能性をさらに拡大している。

今後の展望　海外進出の可能性も

佐野岳の強みは、演技力、運動能力、ビジュアルのすべてを兼ね備えた点にある。特撮ヒーローからシリアスなドラマ、悪役まで、ジャンルを問わず対応できる懐の深さが最大の武器だ。業界関係者の間では、今後のドラマ・映画での主演・準主演への期待はもちろん、舞台やミュージカルでの活躍、さらには海外作品への進出も期待されている。

「視聴者に何かを伝えたい」という強い思いを持つ佐野岳。デビューから10年以上が経過した今、アクション俳優の枠を超えた実力派として、新たなステージへの挑戦が続く。今後の活躍から目が離せない。

（2025年11月20日）