サイバーエージェント、ABEMA悲願の黒字化!ゲーム事業427%増益とAI広告で過去最高決算
ニュース要約: サイバーエージェントの2026年9月期第1四半期決算は、売上・利益ともに過去最高を更新。開局10年目で「ABEMA」が初の四半期黒字化を達成し、収益化フェーズへ移行しました。Cygamesのヒット作によるゲーム事業の爆発的成長に加え、AIによる広告自動生成の加速、26卒採用の強化など、全方位で攻めの姿勢を鮮明にしています。
【決算分析】サイバーエージェント、悲願の「ABEMA」黒字化で新フェーズへ ゲーム事業猛追とAI広告が牽引する2026年度の全貌
2026年3月4日 ―― インターネット広告国内最大手で、ゲームや動画配信事業を展開するサイバーエージェントが、大きな転換点を迎えている。同社が発表した2026年9月期第1四半期(2025年10月〜12月)決算は、売上高2,323億7,700万円(前年同期比14.0%増)、営業利益233億9,500万円(同181.8%増)と、四半期ベースで過去最高を更新。投資家や業界関係者が長年注視してきた「ABEMA」の黒字化達成という悲願を成し遂げ、同社は「投資の季節」から「収益化の季節」へと、確実な一歩を踏み出した。
■「ABEMA」開局10年目の快挙、赤字脱却から収益の柱へ
今回の決算で最も注目を集めたのは、メディア事業の柱である動画配信プラットフォーム「ABEMA」の動向だ。2016年の開局以来、累積赤字は1,000億円を超え、藤田晋社長の「先行投資」という姿勢が市場から試され続けてきた。しかし、2025年10-12月期において、ABEMA単体で約5,000万円の営業黒字を計上。四半期ベースで初の黒字化を実現した。
この背景には、2022年のワールドカップ中継を機に広告主数が1,000社規模まで拡大したことや、無理な規模拡大を追わず、コンテンツ投資と収益のバランスを最適化した「損益分岐点を超えても縮小均衡を狙わない」戦略がある。メディア&IP事業全体の営業利益も前年同期の3.5倍となる49億円に達しており、長年の「お荷物」から、利益貢献フェーズへと完全に移行した形だ。
■ゲーム事業が爆発的成長、「グラブル」新作が200万本突破
グループ全体の利益を力強く押し上げたのは、やはりゲーム事業の躍進だ。同部門の営業利益は176億7,500万円と、前年同期比で427.2%という驚異的な伸びを記録した。
牽引役となったのは、Cygamesのコンソール(家庭用ゲーム機)向けタイトル『グランブルーファンタジー リリンク』だ。2026年第1四半期に世界累計販売本数が200万本を突破。さらに2026年7月9日には、その正統進化とされる新作『グランブルーファンタジー リリンク - エンドレスラグナロク』の全世界同時発売を控えており、ファンや市場の期待は高まる一方だ。加えて、ホロライブIPを活用したグローバル展開新作『hololive Dreams』のプロジェクトも進んでおり、オリジナルIPと強力な他社IPの両輪で成長を維持する構えを見せている。
■「AIによる広告完全自動生成」への挑戦
一方、同社の祖業であるインターネット広告事業は、売上高1,146億円(前年同期比2.7%減)と、大口クライアントの喪失による一時的な調整局面にある。しかし、同社はここでさらなる攻勢をかける。2026年中に「SNS動画広告の完全自動生成」の実現を掲げ、AIへの投資を加速させているのだ。
現在、新設の「日本一のAI動画を追求するセンター」では、生成AIをフル活用した「ブランド300万」などの低価格・短納期パッケージを展開。通常3か月かかる制作期間を最短1.5週間に短縮し、デザイナーの制作本数を従来の5.6倍に引き上げるなど、圧倒的な効率化を進めている。独自の「極予測AI」システムにより、単なる自動生成に留まらず、効果の高い広告をAIが予測して打ち出す体制を構築。技術力による差別化で、広告市場の再編を狙う。
■「26卒・27卒採用」も過熱、能力別年俸で優秀層を囲い込み
事業の急成長を支える「人材」の獲得にも余念がない。サイバーエージェントの2026年度新卒採用(26卒)は通年制を採用しており、エンジニア職においては最低年俸504万円、高度な技術評価を持つ人材には720万円以上を提示する「エキスパート認定制度」を設けるなど、給料体系でも攻めの姿勢を崩さない。
すでに27卒・28卒向けの早期インターンシップやオンライン説明会も活発化しており、AIやデータサイエンス領域を中心とした次世代の戦力確保に余念がない。
■今後の課題と展望:ボラティリティの制御
過去最高の第1四半期決算を受け、株価にはポジティブな影響が見られるものの、市場の反応は依然として慎重だ。その理由は、ゲーム事業の高いボラティリティ(変動性)にある。通期の営業利益予想を500億〜600億円というレンジ形式で提示しているのは、ヒット作の成否に左右される不確実性を反映したものだ。
サイバーエージェントは、かつての「広告代理店」から、ABEMAという独自メディアを持ち、Cygamesという世界基準のゲーム開発会社を抱え、さらにAI技術で業界をリードする「総合インターネット企業」へと完全に脱皮した。黒字化したABEMAがいかに安定的な収益源となり、ゲーム依存の構造を補完できるか。藤田社長率いる同社の「第2の創業期」とも言える挑戦は、2026年、新たなステージに突入した。
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