【弥生賞】キタサンブラック産駒バステールが重賞初制覇!川田将雅と挑む皐月賞への新星
ニュース要約: 2026年3月8日の中山競馬場で開催された第63回弥生賞ディープインパクト記念(G2)は、1番人気のバステールが川田将雅騎手とのコンビで豪快な差し切り勝ちを収め、重賞初制覇を果たしました。2着ライヒスアドラー、3着アドマイヤクワッズと共に皐月賞への優先出走権を獲得。キタサンブラック産駒の新たな怪物が、混戦の3歳クラシック戦線に強烈なインパクトを残しました。
【中山競馬場・現場発】深まる春の鼓動、仁川から届く新星の輝き――。
2026年3月8日、中山競馬場で行われた第63回「報知杯弥生賞ディープインパクト記念(G2、芝2000m)」は、1番人気の支持に応えたバステール(牡3、栗東・斉藤崇史厩舎)が、鮮やかな直線一気を決め重賞初制覇を飾った。かつての英雄ディープインパクトの名を冠したこの一戦で、川田将雅騎手とのコンビが見せた末脚は、1カ月後の皐月賞、そしてその先のクラシック戦線を占う上で、あまりに強烈なインパクトを残した。
■「素質は高い」川田将雅が惚れ込む異彩の末脚
春を思わせる柔らかな日差しに包まれた中山競馬場。10頭立てと少頭数ながら、パドックには「超良血」たちが顔を揃えた。中でも一際目を引いたのが、馬体重を8キロ増やし、充実一途の馬体を見せたバステールだ。前走、阪神芝2000mの未勝利戦を圧勝した勢いそのままに、パドックでも落ち着き払った周回を披露。ファンや専門紙の弥生賞 予想でも、アドマイヤクワッズと並び、最有力候補として熱い視線を集めていた。
レースは1番のステラスペースと2番のメイショウソラリスがハナを争う展開。良馬場ながら、数日前の雨の影響がわずかに残る「含水率13.5%」の馬場コンディション。内前有利のバイアスが囁かれる中、バステールは後方8番手でじっと脚を溜めた。
「道中は我慢して、直線でどれだけ脚を使えるか」 川田将雅騎手の冷静な手綱捌きが光ったのは4コーナー。馬群の外に持ち出すと、上がり最速34.9秒の猛追。先行粘り込みを図る2番人気ライヒスアドラー、そして内から懸命に伸びる1番人気アドマイヤクワッズ。この「2強」をゴール前で一気に飲み込み、クビ差競り落とした。
レース後、川田騎手は「素質が高いと思います。2強を相手にしっかり勝ち切れたのは大きい」と、愛馬のポテンシャルへ全幅の信頼を寄せた。
■皐月賞への切符を手にした3頭の明暗
弥生賞 結果、1着バステール、2着ライヒスアドラー、3着アドマイヤクワッズ。この3頭が皐月賞への優先出走権を手にした。
2着に惜敗したライヒスアドラー(佐々木大輔騎手)は、中団5番手から完璧な立ち回りを見せた。上がり35.4秒と持続力のある脚を使ったが、勝ち馬の瞬発力に屈する形となった。上原佑紀調教師も「悔しいが、賞金を加算できた。本番へ向けて状態を上げたい」と前を向く。
一方、3着のアドマイヤクワッズ(坂井瑠星騎手)は、昨年の朝日杯FS3着の実績馬。初めての2000mに「距離の壁」も懸念されたが、先行策から粘り腰を見せた。坂井騎手は「中山の適性は高いが、最後はトップスピードの差が出たかもしれない」と言葉を絞り出した。
■キタサンブラックとディープインパクトの血脈
今回の弥生賞は、血統的なドラマも色濃かった。バステールの父はキタサンブラック。パワーとスタミナが要求される中山の坂を、父譲りの力強さで突き抜けた。一方で、叔父にタイダルロックを持つ血統馬や、昨年の2歳王者に匹敵する評価を得ていたクロワデュノールの関連馬が活躍するなど、ディープインパクト系とキタサンブラック系の「二大勢力」が改めてその強さを示した。
特に、今回4着に敗れたタイダルロックも、叔父譲りの心肺機能の高さを評価されており、今後の条件戦や秋の路線での飛躍が期待されるだろう。
■皐月賞への展望:混迷の3歳クラシック
「報知弥生ディープ記念」を終え、クラシックの勢力図は一気に塗り替わった。勝ちタイムの2分00秒2は、近年の超高速決着に比べれば標準的だが、上がりの掛かる展開でのバステールの爆発力は、本番の皐月賞でも脅威となるのは間違いない。
一方で、今回の敗者たちも決して悲観する内容ではない。ライヒスアドラーの安定感、アドマイヤクワッズの先行力。これに別路線の有力馬たちが加われば、2026年の皐月賞は近年稀に見る大混戦となるだろう。
中山競馬場のスタンドを去るファンの間では、早くも「バステールはディープを超えられるか」という期待の声が漏れていた。伝説の馬ディープインパクトがこの場所から始まったように、バステールという新たな怪物が、今まさに伝説の第一歩を踏み出したのかもしれない。
(ニュース記者:令和8年3月9日執筆)
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