2025年も残すところあとわずかとなりました。12月23日、日本では年末年始に向けた期待感が高まる一方で、各界を揺るがす衝撃的なニュースや自然界の神秘的な話題が次々と舞い込んでいます。本日の主要ニュースをまとめてお伝えします。
年末年始の足音と「光と影」
いよいよ目前に迫った2026年のお正月。来年は元日から4連休となることもあり、明治神宮や伊勢神宮などの各地では例年以上の混雑が予想されています[1][3]。鉄道各社の終夜運転や百貨店の初売り準備も進む中、航空業界では全日本空輸(ANA)の国際線予約が好調な一方で、日本航空(JAL)は中国線の不振により微減となるなど、明暗が分かれています[4]。
また、本日未明には品川区の中延商店街で5棟を焼く大規模な火災が発生し、年末の防火体制に警鐘を鳴らしました[15]。九州ではJR鹿児島本線で人身事故が発生し、通勤ラッシュを直撃[18]。千葉の外房線でも車両点検による大規模な遅延が発生するなど、帰省シーズンを前に輸送の安定性が課題となっています[46]。
芸能界の電撃発表とスポーツ界の激動
エンターテインメント界では、女優の波瑠さんが俳優の高杉真宙さんとの結婚をInstagramで発表し、日本中に祝福の声が広がりました[23]。一方で、元内閣官房副長官の杉田和博氏[35]や、世界的人気ゲーム『Call of Duty』の生みの親であるビンス・ザンペラ氏[2]、米俳優のジェームズ・ランソン氏[28]の訃報が届き、深い悲しみに包まれています。
スポーツ界では、28日の「第70回有馬記念」に向けて期待が高まっていますが、有力候補のサンライズアースが屈腱炎で回避するという衝撃のニュースが入りました。代わってエキサイトバイオが繰り上げ出走となります[14][20]。また、巨人の岡本和真選手のメジャー移籍交渉も最終局面を迎えており、140億円規模の大型契約の可能性が浮上しています[48]。高校バスケのウィンターカップでは、名門・桜花学園が亡き名将に誓う4年ぶりの王座奪還へ向けて始動しました[12][53]。
暮らしと経済:30年ぶりの転換点
経済面では、日本銀行の利上げにより預金金利が30年ぶりの水準まで引き上げられることが話題となっています。メガバンクとネット銀行の金利格差が広がる一方、住宅ローンの負担増が家計に影を落としています[24]。また、税制改正の影響で不動産小口化商品の節税メリットが失われる懸念から、FPGの株価がストップ安となりました[34]。楽天カードも消費税の解釈を巡り国税局から約42億円の追徴課税を受けるなど、税務を巡る争いが本格化しています[59]。
テクノロジーとカルチャーの最前線
AppleはiPhone 17の不具合などを修正した「iOS 26.2」の配信を開始[51]。中国の快手(クアイショウ)や美的集団は、AI技術を新たな収益の柱として成長を加速させています[10][37]。国内では、サントリーの「山崎ハイボール缶」が限定発売され争奪戦が予想されるほか[31]、ユニクロのポケモン30周年コラボや「パペットスンスン」の一番くじなど、物欲を刺激するニュースが目立ちます[50][58]。
今夜の空に願いを
今夜、天体ファンにとって見逃せないのが「こぐま座流星群」です[29]。23日未明に極大を迎え、今年は新月直後のため観測条件は最高と言われています。冷え込みが厳しくなる中、防寒対策を万全にして、今年最後の流星に願いを込めてみてはいかがでしょうか。
バンクシー、ロンドンの高級マンション前に新作発表。住宅危機へ痛烈な警鐘
ニュース要約: 正体不明のアーティスト、バンクシーがロンドンに新作壁画を公開し、深刻な住宅危機と空室の目立つ高級物件の矛盾を批判しました。作品は公開直後から大きな反響を呼び、2025年には日本各地で版画展の開催も決定。資本主義を風刺しながらも市場価値が2億ドル規模に達するバンクシーの、アートと経済的価値の二面性に迫ります。
匿名アーティスト・バンクシー、ロンドンに新作で住宅危機に警鐘
英国の社会問題に切り込む最新壁画、世界的な市場価値は2億ドル規模に
正体不明のストリートアーティスト、バンクシーが2025年12月22日、ロンドン市内で新作壁画を発表した。今回の作品は英国が直面する深刻な住宅危機を浮き彫りにするもので、公開から24時間余りで約70万件の「いいね」を集めるなど、大きな反響を呼んでいる。
空室だらけの高級マンション前に現れた子どもたち
新作はロンドン中心部のベイズウォーター地区クイーンズ・ミューズと、トッテナムコートロード地区の2カ所に出現した。いずれも冬用の帽子と長靴を身に着けた2人の子どもが仰向けに横たわり、空を見上げて指を差している構図だ。
特に注目を集めているのが、トッテナムコートロード駅近くのセンター・ポイントに描かれた作品である。このビルは2015年に不動産投資会社アルマカンターによって買収され、高級アパートメントへと転用された。しかし、相場を大きく下回る購入オファーが相次いだため販売は事実上断念され、現在も多くの住戸が空室のまま放置されている。
一方でロンドンでは住宅価格の高騰と建設の停滞が続き、ファミリー層が市外へと押し出され、ホームレスの数は過去最高水準に達している。バンクシーの作品は、この矛盾した現実に対する痛烈な批判と見られている。
政治的メッセージ強めるバンクシー
バンクシーは近年、社会的・政治的メッセージを一層強めている。2025年9月には、ロンドンのロイヤル・コーツ・オブ・ジャスティス外壁に新作を発表したが、政府と警察は「建造物保護」「公共秩序の維持」を理由に、わずか48時間で作品を撤去した。この作品は、政府が「Palestine Action」をテロ組織に指定した決定への抗議のメッセージであるとの解釈がなされている。
また、6月にはフランス南部マルセイユで、歩道の車止めポールの影を黒い灯台に見立てた視覚トリック作品を発表。バンクシーは常に予測不可能な場所に作品を出現させ、世界中のメディアとファンの注目を集め続けている。
日本でも版画展が全国巡回
バンクシー人気は日本でも衰えを見せていない。2025年には全国各地で版画展が開催される予定だ。4月5日から13日にかけて金沢エムザ8階催事場を皮切りに、10月には岐阜のアクアウォーク大垣、11月には静岡県のららぽーと磐田とららぽーと沼津、12月には愛知県のららぽーと名古屋みなとアクルスで順次開催される。
これらの展覧会では、最新作『ギャングスタラット(スプレー)』やウクライナの平和を願う『JUDO』を含む約70点の版画作品が展示販売される。入場は無料で、バンクシーの世界観を身近に体験できる貴重な機会となる。
市場価値は約2億ドル、資本主義批判との矛盾も
バンクシー作品の市場価値は驚異的な上昇を続けている。2021年のオークション市場では、総売上高が約2億ドルに達し、存命アーティストではゲルハルト・リヒターに次ぐ年間2位を記録した。2001年に個展で2万円で販売された「Keep It Real」は、2019年のサザビーズ・オークションで約4,500万円で落札され、20年で2,000倍以上に値上がりした。
版画作品の平均価格も2020年に約60,000ポンド(約1億円超)に急騰し、現在ではウォーホルやバスキアといった著名アーティストの版画を上回る相場となっている。2018年には《風船と少女》が140万ドル(約1.6億円)で落札された直後にシュレッダーで破壊されるというパフォーマンスが話題を呼び、2021年に《Love is in the Bin》として再びオークションにかけられた際には1858万ポンド(約28.8億円)で落札され、購入時の18倍の価格となった。
興味深いのは、バンクシー自身が資本主義や商業主義に対して痛烈な批判を作品で表現している点だ。社会問題や消費主義への風刺が特徴であるにもかかわらず、自身の作品が高額で商業的に取引される現実には矛盾を指摘する声も上がっている。
この矛盾に対してバンクシーは2019年、オンラインショップ「Gross Domestic Product™」を開店し、対抗措置を講じた。このショップでは、コレクター垂涎の作品を安価で販売し、抽選制を採用して経済力による競争を排除。さらに「裕福なアートコレクターの方は今回の購入をご遠慮ください」という文言を掲載することで、アート市場の民主化を試みている。
経済危機にも強い「ブランド資産」
バンクシーのプリント作品は、経済変動への耐性が高い「ブランド資産」として位置づけられている。2019年から2020年にかけて、年間セールスポイントは178%増となり、ビットコインなどを上回るパフォーマンスを示した。現代アート市場全体でArtprice100指数がS&P株価指数の2.5倍上昇する中、バンクシーは安定した投資対象として注目されている。
ただし、2022年以降は価格上昇が鈍化し、高額落札が減少する傾向も見られる。これは市場全体の調整を反映したものと考えられ、今後の動向が注目される。
バンクシーの作品価値を支えているのが、公式認証機関「ペストコントロール」の存在だ。この機関が真贋を判定することで、市場での信頼性が担保され、価値の高騰を支えている。
正体不明のまま社会に問いかけ続けるバンクシー。その活動は、アートが持つメッセージ性と経済価値という二つの側面を象徴する存在として、今後も世界中の注目を集め続けるだろう。