【競馬・深層リポート】受け継がれる「絶対女王」の遺伝子――アーモンドアイ、産駒たちが紡ぐ新たな伝説の幕開け
ニュース要約: 芝G1を9勝した伝説の牝馬アーモンドアイの産駒たちに注目が集まっています。初勝利を挙げたアロンズロッド、期待の2番仔、そして「16冠ベイビー」と呼ばれるレジューノワールの命名。さらに世界最強馬イクイノックスとの間に誕生した2025年産駒など、日本競馬の至宝とも言える血統が切り拓く新たな物語の現状と未来を深掘りします。
【競馬・深層リポート】受け継がれる「絶対女王」の遺伝子――アーモンドアイ、産駒たちが紡ぐ新たな伝説の幕開け
2026年2月。冷え込む美浦トレーニングセンターの朝靄の中、競馬ファンの熱い視線はある「血統」の動向に注がれている。日本競馬史上最多となる芝G1・9勝を挙げ、2023年に顕彰馬入りを果たした「絶対女王」アーモンドアイ。引退から5年が経過した今、彼女の物語は第2章、すなわち繁殖牝馬としての真価を問われるフェーズへと完全に移行している。
■初仔アロンズロッドの初勝利と試練
現在、アーモンドアイの産駒で最も注目を集めているのが、初仔のアロンズロッド(牡3、父エピファネイア、国枝栄厩舎)だ。2025年2月8日、東京競馬場で行われた芝2400メートルの未勝利戦。母がかつて世界レコードを叩き出したゆかりの地で、アロンズロッドは待望の初勝利を挙げた。
しかし、歓喜の直後に暗雲が垂れ込める。レース直後、左前肢の骨折が判明したのだ。現在は復帰に向けて調整中だが、国枝調教師の定年退職が迫る中、この「超良血馬」がどのような軌跡を辿るのか、ファンは固唾を飲んで見守っている。
一方、次いでデビューした2番仔プロメサアルムンド(牡2、父モーリス)への期待も高い。2025年夏の新潟でデビューを果たした同馬について、国枝師は「筋肉がついて分厚くなった。トータルでの点数は高い」と、母譲りのポテンシャルの高さを評価している。
■「16冠ベイビー」レジューノワールの誕生
そして今年2月、SNSを中心に大きな話題を呼んだのが、4番仔となる2024年産牝馬(父キタサンブラック)の命名だ。「レジューノワール(Regie Noire=フランス語で「黒い瞳」)」と名付けられたこの牝馬は、父がG1・7勝、母が9勝という背景から「16冠ベイビー」の異名をとる。
アーモンドアイの現役時代を知るファンにとって、その馬名は母の象徴であった大きな瞳を彷彿とさせ、早くも2026年のデビューを待望する声が後を絶たない。父キタサンブラック譲りの豊かなフレームに、母の瞬発力がどう融合するか。血統的背景からも、日本競馬の結晶とも言える存在だ。
■2027年、世界が注視する「世紀の配合」
さらに、その先にはさらなる衝撃が控えている。2025年に誕生した最新産駒(牡、父イクイノックス)だ。世界レーティング1位に輝いたイクイノックスと、9冠女王アーモンドアイ。現役時代に「史上最強」を争った2頭によるこの配合は、もはや一国の枠を超えた、世界競馬の至宝と言える。
この産駒は現在、放牧地で元気に育っており、デビューは早くて2027年の初夏を予定している。父母合わせてG1・15勝、総獲得賞金40億円超という、文字通り桁外れのスケールを持つこの牡馬がターフに現れるとき、日本競馬は再び新たな歴史の目撃者となるだろう。
■「牝馬が強い時代」の礎として
アーモンドアイが築き上げた功績は、単なる勝数だけではない。2018年に牝馬三冠を達成し、ジャパンカップでは牡馬を一蹴。彼女の活躍は、その後のグランアレグリアやクロノジェネシスへと続く「牝馬が強い時代」の決定的な転換点となった。
父ロードカナロア、母父サンデーサイレンス系という配合は、スピードとスタミナの究極のバランスを体現している。ノーザンファームが長年積み上げてきた血統戦略の最高到達点。その血を受け継ぐ産駒たちが今、JRAの舞台で次々と走り出している。
記録はいつか破られるものだ。しかし、アーモンドアイが持ち合わせた「異次元の末脚」と「凛とした佇まい」の記憶は、産駒たちの走りに形を変えて、永遠に語り継がれていく。2026年、私たちは再び、あの「黒い瞳」の面影を追って競馬場へと足を運ぶことになるだろう。
(文・共同通信/日経競馬取材班)
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