2027年大河ドラマ『逆賊の幕臣』主演・松坂桃李が語る小栗上野介の真実と再評価の機運
ニュース要約: 2027年NHK大河ドラマ第66作『逆賊の幕臣』の出演者発表会見が行われ、主演の松坂桃李らが登壇。幕末の近代化を支えながらも「逆賊」として処刑された小栗上野介忠順の生涯を、脚本・安達奈緒子氏が新たな視点で描きます。横須賀製鉄所の建設など日本の礎を築いた知られざる偉人の再評価と、豪華キャスト陣の競演に期待が高まっています。
【独自レポート】2027年大河ドラマ『逆賊の幕臣』が描く真実――松坂桃李が挑む「小栗上野介忠順」再評価の機運
2026年2月25日 東京本社 編集部
幕末の動乱期、徳川幕府の瓦解とともに「逆賊」の汚名を着せられ、非業の死を遂げた一人の幕臣がいる。その名は、小栗上野介忠順(おぐり こうずけのすけ ただまさ)。明治維新から160年近い時を経て、今、この「知られざる近代化の父」に空前のスポットライトが当たっている。
2027年1月から放送されるNHK大河ドラマ第66作**『逆賊の幕臣』。2025年3月の制作発表以来、歴史ファンのみならず幅広い層から注目を集めてきた本作が、いよいよ本格的な始動を見せている。2026年2月24日には都内で第3弾となる出演者発表会見が行われ、主演の松坂桃李**をはじめとする豪華キャスト陣が顔を揃えた。
■「逆賊」か「先駆者」か。小栗忠順の歩み
本作の主人公、小栗忠順(小栗上野介)は、1827年に旗本の子として生まれた。1860年の遣米使節団の一員として渡米した際、欧米の圧倒的な工業力に衝撃を受けた彼は、帰国後、幕府の財政再建や海軍の近代化に奔走した。
最大の功績とされるのが、フランスの協力を得て建設した**横須賀製鉄所(後の横須賀造船所)**だ。当時の幕府内には建設に反対する声も強かったが、小栗は「幕府の安泰のためではなく、日本の未来のために」という信念を貫いた。しかし、戊辰戦争が勃発すると、主戦論を唱えたことで罷免。上野国権田村(現在の群馬県高崎市)に隠居するも、新政府軍によって「軍資金を隠匿した」という冤罪に近い嫌疑をかけられ、無抵抗のまま斬首された。享年42。
明治政府にとって、彼はあくまで「旧弊の幕臣」であり、長らくその功績は歴史の闇に葬られてきた。しかし、彼が遺した横須賀製鉄所は、その後の日本の工業化を支える屋台骨となった。東郷平八郎ら後の英雄たちが「日本の近代化は小栗氏に負うところが大きい」と称賛した通り、現代では「近代日本建設の父」としての再評価が定着しつつある。
■松坂桃李と岡部たかしが織りなす「師弟の絆」
会見に登壇した主演の松坂桃李は、小栗忠順という人物について「教科書には大きく載っていないかもしれないが、今の日本があるのはこの人がいたからだ、と確信を持って演じたい」と意気込みを語った。脚本を担当する安達奈緒子氏は、幕臣の視点から描くことで、勝者の歴史ではない、もう一つの幕末史を浮き彫りにする狙いだ。
今回、大きな注目を集めたのが、小栗の運命を左右するキーマン・井伊直弼役に起用された岡部たかしだ。小栗を遣米使節に抜擢し、開国への道筋をつけた上司としての井伊像。制作統括の勝田夏子氏は「揺らぎがありながらも、ゴリゴリの信念を貫く井伊直弼を演じられるのは彼しかいない」と、その演技力に全幅の信頼を寄せる。
さらに、小栗を支える家族の配役も発表された。妻・みち役には上白石萌音、父・忠高役に北村有起哉、母・くに役に鈴木京香と、実力派が名を連ねる。小栗の恩師である安積艮斎を演じる中村雅俊は、「チームワークは抜群。今の時代にこそ必要な、信念の物語になるだろう」と自信をのぞかせた。
■2027年へ向けて高まる期待。ゆかりの地は「祝祭」の装い
放送開始まで1年を切る中、小栗忠順ゆかりの地では、早くも「大河ブーム」の兆しが見えている。
終焉の地である群馬県高崎市倉渕町では、**「小栗上野介忠順記念館」**への来館者が急増。地元では「小栗忠順生誕200年」にあたる2027年に合わせ、ウォーキングコースの整備や特産品とのコラボレーションが加速している。また、横須賀市でも「ヴェルニー公園」を中心とした観光ルートの再編が行われ、横須賀市長は「小栗精神を全国に発信する好機」と期待を寄せる。
大河ドラマ 2027『逆賊の幕臣』。それは、かつて「逆賊」として消された男の名誉回復の物語であると同時に、混迷する現代において、私たちが何を指針に生きるべきかを問い直す作品となるだろう。
2026年夏に予定されているクランクインを前に、松坂桃李が演じる「孤高の幕臣」の輪郭が、少しずつ明らかになり始めている。
(経済・文化部 記者:佐藤 健一)
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